連載:終わらない体験とピークエンド
本連載は、ショート動画を延々と見続けてしまう、あの感覚から始まりました。
終わるきっかけがなく、強いクライマックスもなく、ただなめらかに続いていく体験。
そこに、どんなデザイン原則があるのか。
そして、その時代においてピークエンドの法則はどう扱われるのか。
その問いを辿ってきました。
ピークエンドの法則は、おそらく、消えません。
ただし、それはかつてのように「一回の体験の中に山を置く技法」として語られるだけではもはや足りないことも明らかです。
短い体験のピークから、長い人生のピークへ。
完結する終わりから、接続する節目へ。
その射程は、拡張していく。
機械協働時代、テクノロジーは、素晴らしい精度で摩擦を減らし、区切りを溶かし、なめらかに続く体験を作りうる。それは驚くべき進歩です。
しかし、なめらかさだけでは、跳躍は生まれません。
長い時間軸のなかで、どんな山を描くのか。
どこで時間を折りたたむのか。
その問いが、デザイナへの新たな投げかけになると考えています。
目次
- 第1回:はじめに —— ピークやエンドは消えたのか?
- 第2回:代表性が揺らいでいる
- 第3回:ピークは消えていない —— 時間軸を伸ばすという視点
- 第4回:機械との協働
- 第5回:おわりに —— 新しい投げかけ
AboutTsuyotada Hirai
合同会社Arti代表。UXデザインの実務に20年以上携わる。『選ばれるUX ―「日常に溶け込む」体験のつくり方』(英治出版、2026年)共著者。 プロフィール

