第5回:おわりに —— 新しい投げかけ
本章は、ショート動画を延々と見続けてしまう、あの感覚から始まりました。
終わるきっかけがなく、強いクライマックスもなく、ただなめらかに続いていく体験。
そこに、どんなデザイン原則があるのか。
そして、その時代においてピークエンドの法則はどう扱われるのか。
その問いを辿ってきました。
ピークエンドの法則は、おそらく、消えません。
ただし、それはかつてのように「一回の体験の中に山を置く技法」として語られるだけではもはや足りないことも明らかです。
短い体験のピークから、長い人生のピークへ。
完結する終わりから、接続する節目へ。
その射程は、拡張していく。
機械協働時代、テクノロジーは、素晴らしい精度で摩擦を減らし、区切りを溶かし、なめらかに続く体験を作りうる。それは驚くべき進歩です。
しかし、なめらかさだけでは、跳躍は生まれません。
長い時間軸のなかで、どんな山を描くのか。
どこで時間を折りたたむのか。
その問いが、デザイナへの新たな投げかけになると考えています。
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